疑心暗鬼

2022.12.7

9:48am

H.もしもし?ひろこ。おはよー

T.おはよー《起きたばかりな感じ》

H.起きてたー

T.んー?バカヤローと思ってさ

H.何が?(笑)

T.え?

H.なんかあった?

T.もう、そうそう。バカヤローってさ。ほんとに

H.うん。どうしたの?

T.起こしやがってさ

H.あははは。朝だから。お父さんにご飯食べてもらいたから呼んだんじゃない?

T.ん?

H.お腹すいたんじゃないかなぁと思って声かけたんだよ。違う?(笑)

T.そりゃそうだろうけど

H.うん…(笑)

T.ん?いや、なんか聞いたの?

H.ううん。きのう電話かけた時、お父さんが腰痛いって言ってたから電話したの

T.あぁそうかー

H.だいじょうぶかなぁと思ってさ

T.悪かったねぇ

H.そんなことないけど(笑)朝、寒いから

T.なんか変なやつがさ、どこがどうとかとか…

H.はいはいはい

T.自分のとこがどうとかとか、自分はそっちの方は知ってる様な言い方してた

H.あーあーあー

T.とんでもねぇなぁって。おれなんか悪いとこはねぇって

H.お父さんが腰が痛いことはお医者さんに言ってたから、もしかしたらそのことを言ってたかもしれないけど

T.ん…

H.わたしが高知からすぐとんで行けないから、お医者さんに父のことを見に行って下さいって言ってあるから

T.ん

H.もしかすると、それで来てくれた人かもしれない

T.いや、わかんねーよ。そんなの

H.お母さんが呼んだんじゃないよ。わたしが呼んでるんだよね

T.え?

H.わたしが、すぐ行けないからお願い出来ますか?って言って。だからと思うんだけどなぁ

T.まぁしょうがない。それじゃ

H.お父さんが腰の痛みがなければ、誰もお父さんを心配して来ることはないし、関係ない人が来ることはないんだけど…ちょっと気になるんだよね。ずっと、いたーいって言ってるからね。気になっちゃう(笑)

T.(笑)ばか言うなって。そんなの口だけでね。いくらでも×××なんだよ。バカっ《←???》

H.ん…

T.女とかなんか変なのが…

H.女とかって言うけど、わたしも女の一人だ《ピンポーンと玄関チャイムの音》あ。誰か来たね。お母さんの訪問看護さんかな

T.ちょっと待って

《父が電話を切った》

通話時間4分1秒

 

9:54am電話をかけ直した。さっきの電話で何かイライラがある様だったので。

H.お天気いいの?《さっきより明るいトーンで話してみた》

T.いいさ

H.じゃあ窓から結構あったかい光が入ってるんだねぇ

T.いやぁ…

H.そうでもない?

T.いや…分かんないけどさ

H.ぽかぽかしてない?

T.見たら分かるでしょ

H.うちからじゃ見れないよ。電話だから見えないから(笑)

T.あぁ、そうか…《声がめちゃめちゃか細い》

H.高知は暖かいよー

T.あんたちはそんなことやってるの?

H.ん?そんなことって?

T.あちこちで、そんなことやってるのか?おれはあったまくるんだよ!!!ほんとに

H.なんで?

T.勝手なことを、おれのうちのことをぎゃんぎゃん言ってるんだったら《トーンダウン》

H.家のことをぎゃーぎゃー言ってないよ

T.いま、おれの家のこと話しあってるんじゃないのか?《不安だから聞きたかったんだと思う》

H.お父さんの腰のことを言ってるんだよ。治さなきゃって

T.いまの連中?

H.あぁ。いま来てる人たちは多分、お母さんのところに来てるんだよ。お母さんの看護師さんだからね。お母さんの足のこととかカラダの具合を見に来てるんだよ

T.あぁあぁそうか

 ここで、わたしのうちの固定電話が鳴った。父が取るよと言ってくれていたが、わたしの方で取るから大丈夫。今日はこれでばいばいと言って切った。

通話時間2分28秒

 

 父のところに、訪問診療、訪問看護、ヘルパーさん、そしてあんすこさん。たくさんの人が訪ねてくるようになって、環境の変化についていけないのだと思う。父の介護関係の契約書を交わすためにコソコソやってると、家が売り飛ばされるのではと疑心暗鬼になってるのかもしれない。

お父さん、大丈夫だよ。